沼津~原2012.10.7
天気予報では「曇り」だったのに沼津に着いてみると雨が降っている。
10:24AM、仕方なく傘を差して東海道を歩き始めた。
背中にはベビーキャリーmacpacポッサム。
今回も娘を連れて来ている。
できるだけ歩いてもらって疲れたらポッサムに乗せて歩こうという計画。
そして今回から新しいデジタルカメラを使う。
今まで使っていたCANON IXY DIGITAL 800ISは先日娘に持たせたら転んで壊れたしまったのだ。
代わって新たに奮発して購入したCANON Power Shot S100を携行。
やっとIXYを使いこなしつつあるところだったので残念だが、このPower Shotでどんな写真が撮れるのか楽しみでもある。
歩き始めてすぐに中学時代に愛読した井上靖の文学碑がある。
旧制中学時代を沼津で過ごした彼は当時のことを自伝的小説『夏草冬濤』に記している。
今度実家に帰ったら文庫本を持って来ようか。
そこから道を鉤型に曲がると本陣・脇本陣跡の石柱が建っていてここが宿場の中心であったことがわかる。
古くからの港町として栄えた沼津宿も今ではサビの目立つアーケードが物悲しさをそそる寂れた商店街だ。
そんな中1軒だけド派手なのぼりが目を引くコスメ店がある。
見れば今年のサマージャンボで5億円が出た宝くじ売り場だった。
女房と女房の兄貴はその場で現在発売中のオータムジャンボを購入。
そしてこの近所に5億円を手にしたヤツがいるに違いない、新築の豪邸はないかとキョロキョロ探しながら歩いた己の好奇心の浅ましさ!
海岸線とほぼ並行する東海道を左にそれて海に向かう。
海岸の松林の手前に碑が建っている。
天正8(1580)年、武田勝頼と北条軍がこの地で戦った際の戦死者の首を葬った首塚だ。
この2年後には勝頼自身が首になる運命にある。
その先の松林と海岸一帯が千本浜公園となっている。
松林を抜けて突き当たる防波堤に上ってみる。
景勝地として知られた千本松原の海岸線の美しさが堪能できる。
ただし、天気が良ければ松林の背後に顔をのぞかせるはずの富士山は雨雲に隠れて全く見えない。
雨はやんだようだ。
石ころだらけの浜に下りて娘を遊ばせてから、沼津駅で買った駅弁を食べる。
娘は疲れてしまったようなのでポッサムに背負って12:43AMに東海道歩きを再開する。
3歳の娘は体重16kg。
ポッサム自体が3kgほどあるので、荷物と合わせて約20kgを背負ったわけだ。
これはさすがに重い。
どうしても腰が折れて前傾姿勢になってしまう。
そのせいで歩幅が極端に狭くなってしまい思ったほどのスピードはでない。
13:04PM、沼津藩領の西端を示す傍示杭を過ぎ、30分後に松長一里塚跡を過ぎる。
単調な直線の県道がひたすら続く。
単調で結構、なまじ見どころがあっても背中が重過ぎてとても立ち止まって見る気分にはなれない。
午後2時ちょっと前に片浜駅前の西友で休憩させてもらう。
そこの100円ショップで娘にハロウィンのピンクのマントを買ってやる。
本人気に入ってこれ以後ずっとつけて歩いた。
14:12PMに再開。
娘にも歩かせる。
と思ったら5分も経たないうちに通りがかった公園にひっかかってしばらく時間をロス。
親の道楽に付き合わせてるのだ、これくらいは仕方あるまい。
15:16PM、吉原宿に入る。
宿場といってもそれらしい雰囲気は全くない。
民家と病院と保険屋しかないような街だ。
原駅入口の交差点で今日の東海道歩きを終え、駅でタクシーを拾って2kmほど北の興国寺城を見学してから原駅に戻り、沼津のホテルに宿泊した。