原~吉原2012.10.8

沼津駅北口のココチホテル沼津で目覚める。
窓からは青空の下、タワーパーキングに半分かくれた富士山が見えている。
今日は京都方面に向かって左側に富士が見える「左富士」という名所を通るので何としてもこのまま晴れていてほしいものだ。

ホテルの部屋から見える富士山
ホテルの部屋から見える富士山

さてこのココチホテルは畳敷きの部屋にベッドという造りで、これがなかなかリラックスできる。
また朝食のバイキングも、ビジネスホテルの味気ないそれとは違ってかなりちゃんとした物が食べられる。
希望すれば沼津名物アジの干物をその場で焼いてくれる。

沼津から東海道線で原駅に着いて今日の東海道歩きをスタート。
時に9:03AM。
昨日に引き続き民家が建ち並ぶだけの直線道路を歩く。

原宿
原宿

右を見ると空は晴れているのに手前の愛鷹山と富士山の間だけに雲がわいてきて山容を隠し始めている。
今日の行程に文字通り暗雲がたちこめてきた。

雲に隠れ始める富士山
雲に隠れ始める富士山

娘は昨日の疲れがあるのか30分もたたないうちに休みたいと言いだした。
すると「→CAINZ HOME」という看板があったので、そこで休憩できればと思い矢印に従って右折して旧東海道を北にそれた。
ところがこの巨大ホームセンターはさらに北側を通る国道1号線から車でやって来る客のみを想定した構造になっていて、南側の旧東海道から、しかも歩いて来る客など全く相手にしていない。
つまり、南側に入口がないのだ。
結局僕らはここでトイレを借りて再び旧東海道に戻るために、40分もかけて広大な敷地を1周する羽目になった。

さて旧東海道には戻ったものの娘は依然歩きたがらない。
こうなると仕方がない、macpacポッサムの出番である。
ここでついに女房がポッサムに娘を乗せて歩き始めた。
普段歩くのが遅い彼女だが、20kgを背負うと速い、速い。
身軽なこちらが付いて行くのが精一杯だ。
後で聞くと「重過ぎて前に進むしかなかった」そうだ。

娘を背負って歩く女房
娘を背負って歩く女房

30分ほど歩き、昭和放水路の手前で今度は女房の兄貴に娘をバトンタッチ。

女房の兄貴に娘を背負ってもらう
女房の兄貴に娘を背負ってもらう

うんざりするほど真っ直ぐだった道が徐々にくねり始め、道幅も狭くなってきた。
右手には常夜灯もある。
やっと街道風情らしきものがわずかながら感じられるようになってきた。

秋葉山常夜灯
秋葉山常夜灯

12:02AM、毘沙門天妙法寺の石段で休憩。
ここからは娘にも歩かせる。

娘が「ラーメンが食べたい」と言い出したので、ラーメン屋を探しつつ歩く。
するとこれがなかなか見つからない。
確実にあるだろうと思った吉原駅前にも何もない。
その先は道の両側に大きな工場や倉庫が建ち並び、ラーメン屋などとてもある雰囲気ではない。
それにしてもこの辺りは旧道らしく細くくねった道の両側に巨大な建物が建ち並ぶ一種シュールな景観である。
またこの辺りは津波のため3度移転を余儀なくされた吉原宿が最初にあったところらしく、その名残と思しき老松が1本だけ立っていてこれがまたシュールさを際立たせている。

元吉原宿
元吉原宿

旧東海道が国道139号線に合流する地点にコンビニがあったのでそこで休憩がてら店員さんにこの辺りにラーメン屋はないかと聞いてみると、ここから10分ほど歩けばあるとのこと。
そこは旧東海道からはそれるのだが、この際贅沢は言えないので国道沿いを歩いて「来来亭」というラーメン屋に入った。
人気店らしく店の外にまで行列ができていたが、並んでいる間に注文を取るなど手際が良く、それほど待たずに昼食にありつけた。
僕は背脂たっぷりの豚骨ラーメンとチャーハンのセットを食べたが、どちらも味がきつ過ぎて僕の口には合わなかった。

ラーメン未来亭
ラーメン未来亭

2:10PM、旧東海道に戻って再出発。
ここからは僕が娘を背負う。

10分ほどすると道が右に大きくカーブし始め、さらに5分ほどで「名勝左富士」という案内板の立つ極小公園に達する。
江戸から京に向かえば概ね富士は右に見えるはずなのだが、茅ヶ崎の南湖とここだけでは左側に見えるという名所である。
今日一番の見どころだ。
今、天気としては“晴れ”といっていい状態なのだが富士山の辺りは雲がたちこめていて全く見えない。
かなり悔しい。
もっとも現在道の両側は殺風景な工場と倉庫なので、たとえ左富士が見えたとしてもかつての名勝の景観とは程遠かったであろうと思われる。

左富士
左富士

仕方なく左富士を後にして歩き始める。
10分足らずで小さな橋の手前に「平家越の碑」が現れる。
源平合戦で、源氏の迂回作戦で飛び立った水鳥の音を平家方が敵襲と錯覚して戦わずして敗走した故事を記念する碑らしいのだが、その古戦場とこの碑の位置関係は良くわからなかった。
ここがその古戦場という理解でいいのだろうか。

平家越の碑
平家越の碑

そこから7分ほど歩くと「東木戸跡」という案内番があり、ここが吉原宿の入口であることがわかる。

東木戸跡
東木戸跡

2:50PM、間もなく差しかかる踏切の手前の吉原本町駅を今回のゴールとした。
次回こそは富士を見ながら歩きたいものだ。

さて2日間新品のCANON Power Shot S100を使ってみたのだが、EXY DIGITAL 800ISと最も違いを感じるのはAUTOモードでの精度の高さだ。
EXYでAUTOモードで風景を撮ると、天気のいい日などには青空が白く飛んでしまうことがよくあった。
空に合わせて露出を絞ったりホワイトバランスを調整する必要があったのだが、Power Shotではそういう調整もAUTOでやってくれる。
ただしAUTOで失敗して取り直す場合の設定の仕方はまだ飲み込めてない。


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