長久保~和田~(唐沢バス亭)2008.4.26

上田駅にバスがやって来た

上田駅にバスがやって来た

9:04AM、上田駅で新幹線からバスに乗り換える。

このバスで長久保に向かう。

今回は長久保から和田宿、そして和田峠を越えて下諏訪までの約30kmを踏破するために2泊3日の日程を組んで来た。

1日目、つまり今日は長久保から和田宿を過ぎて峠道が始まる手前の唐沢バス亭までの約12kmを歩く。

唐沢からバスで和田宿に戻り予約してある旅館に宿泊。

2日目の明日はバスで唐沢まで行き、そこから和田峠を越え、下諏訪までの約17kmに挑む。

但し、もし途中で体力の限界に達したり、日没を迎えてしまったりした場合には下諏訪町まで行けばバスが走っているので、そのあたりのバス亭までにする。

宿泊は下諏訪の旧本陣。

そして3日目は2日目のゴール地点から下諏訪駅まで歩く。

バスの車窓から

バスの車窓から

バスは長久保に向かっているが、気分は一向に盛り上がらない。

天気が思わしくないのだ。

空には今にも降りだしそうな重い雲が垂れ込めている。

10:20AM、前回のゴール地点、長久保宿のT字路から歩き始める。

長久保宿には宿場時代の旧い家屋が点在する。

長久保宿にて

長久保宿にて

しかし解体中の旧家屋もあって胸が痛む。

宿場を出た旧中山道が国道と分岐するところに四泊一里塚の跡があるのだが、その説明板はなぜか車道に向けられている。

誰に読ませるつもりなのだろうか。

車道を向いた説明板

車道を向いた説明板

中山道は依田川沿いを進む。

両側からは山が迫って来る。

依田川

依田川

11:20AM、とうとう雨が降り始めた。

松井田で100円レインコートの余りのショボさに懲りたので、今回はアウトドア用のレインポンチョを用意して来た。

ポンチョを着る

ポンチョを着る

しかし着てみるとこれはこれで暗がりでも目立つ黄色というのが結構派手で、これを夫婦揃って着ていたのだからかなり不気味に見えたかも知れない。

中山道はますます依田川に接近する。

堤防もない川にここまで中山道が迫ったことはなかったんじゃないだろうか。

ほとりには白いユキヤナギと黄色いレンギョウ。

雨さえ降ってなければ心から愛でたくなる風景なのに・・・。

依田川と中山道

依田川と中山道

12:02PM、武田信玄に攻め滅ぼされた和田城主・大井信定父子の首級が埋葬されたという若宮八幡神社で雨宿りする。

なぜかまともな写真が撮れなかった。

若宮八幡神社

若宮八幡神社

12:20PM、芹沢の一里塚跡に到着。

芹沢の一里塚

芹沢の一里塚

スタートしてから2時間で5km足らずしか進んでいない。

雨のせいかかなり遅いペースだ。

民家が増えてきた

民家が増えてきた

街道沿いには民家が徐々に増えて来た。

そして12:56PM、和田宿に入る。

雨脚はどんどん激しくなる。

宿場散策はゴール地点から引き返して来た後にすることにしてここは先を急ぐ。

今夜泊まる予定の旅館・本亭の前も素通りする。

本亭

本亭

和田宿を出た中山道は再び依田川沿いを進む。

蛇行する急流と蛇行する街道、そして岸辺には満開の桜。

依田川沿いの中山道

依田川沿いの中山道

激しい雨の中の凄絶な美しさだ。

中山道は上和田で国道と合流する。

それも舗道のない国道だ。

それから先はすぐ脇を走り抜けて行くトラックに恐怖を覚えながら雨の中をひたすらとぼとぼと歩くことになる。

2:07PM、国道から左にそれる道に「中山道」という案内表示。

これは初期の中山道なのだが、児玉先生の本はそのルートはとっていない。

しかもそのルートは今日のゴール予定地点の唐沢バス停を通らない。

ここは児玉先生の本に従って国道を真っすぐ歩いた。

初期中山道への分かれ道

初期中山道への分かれ道

中山道
街道は峠越えに向けてゆっくりと上り始める。

3:20PM、ほうほうの体で唐沢バス停にたどり着いた。

小屋のようなバス亭だ。

ここに屋根付きのバス停があることは事前情報で知ってはいた。

しかし実際にこの雨の中をたどり着いてみると、この屋根付きというのがなんとありがたいことか。

遅い昼食を食べながらバスを待った。

唐沢バス亭

唐沢バス亭

和田宿に戻るバスの中で僕らのように中山道を歩く夫婦と一緒になった。

彼らはいつも宿泊の予約はせずに、その場その場で宿を取るらしい。

本当は明日和田峠越えの予定だったが、この雨ではもし明日晴れたところで下がぬかるんでどうしようもないのでこのまま帰ることにしたそうだ。

和田宿でバスを降り、江戸時代の庄屋の建物で営業する旅館本亭にチェックインしてから宿場散策に出かける。
和田宿
和田宿も茂田井と同じく、幹線道路が宿場を迂回したため開発から取り残され、宿場時代の雰囲気が色濃く残っている。

和田宿

復元された本陣や現存する脇本陣を見学して本亭に戻った。

和田宿本陣

和田宿本陣

夜、寝床の中で考えた。

もしこの雨が明日も降り続いたとしたら・・・

雨の中17kmの峠越えだ!

考えたくもない。

天気予報では明日は晴れることになっている。

しかしその明日まであと1時間もないというのに一向に衰えない雨音を聞きながら眠りについた。


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